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2010/08/25

ホメオパシー関連書籍の批判レビューをサルベージしてみた。

 以前何冊かのホメオパシー関連の書籍に対する批判レビューを書き、有用性のあるレビューとされていたのにも関わらず、どれも一斉に削除されてしまいました。私はおそらくホメオパシー関連の方が、Amazonの中の人にクレームを入れたのではないかと勘ぐっており、編集合戦みたいな状況に陥るのも本意ではないので、すっかり諦めていたのですが、昨日、日本学術会議により、ホメオパシーの流行を懸念する旨の異例の談話を発表したこともあり、レビューのうち1件だけ草稿をサルベージできたので、PVの少ないブログに再掲してみたりする。
#ちょっと下品なので、削除されたという噂もありますが...。

 以下、『予防接種トンデモ論』ホメオパシー出版:由井 寅子 (著) 書評として、かつて掲載されていたものです。

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 先ず最初に。この本をお読みになる方は、ホメジャ方面の方か、妊婦ないしは育児に奮闘中のお母様だと思われます。 前者の方は正直どうでもいいのですが、後者の方は是非以下をお読み下さい。
http://idsc.nih.go.jp/vaccine/2008chualth/index.html
 予防接種は確かに副反応(副作用)のリスクが存在します。が、だからといって無闇に接種を恐れるのではなく、未接種により羅患した時のリスクと接種によるリスクの過少の判断を冷静にして下さい。疑問点があればホメオパスに尋ねるのではなく、信頼できる小児科医やかかりつけのお医者に質問してください。

 さて、本のレビューですが、これほど根拠の無い言説を展開されると、正直どこからつっこんで良いかわかりません。医学・生物学の専門的な言葉を用いているようですが、著者はその実を殆ど理解していないでしょう。

「IgMの抗体値は急性の、IgGは抗体値は慢性の血液の濁り(免疫低下の指標)の程度をあらわす」(p64より引用)

 ⇒血液の濁り...。(苦笑)

「子供は、親から先祖から代々受け継がれた遺伝的・感情的・カルマ的な負荷を持ってうまれてくる」(p81より引用)

 ⇒遺伝学を全く理解してませんね。なんですかこれ?江原スピリチュラルと同程度です。このまま突き進むと優生学までいきそうです。

「エイズウイルスは細胞内に侵入することができ、キラーT細胞に入っていく」(p85

 ⇒ヘルパーT細胞でしょう。知ったかぶりをすると、こういうミスをするのです。

 まぁ、ホメオパシーのウソ、疑似科学性をここでいちいち書いてはキリがないので、こちらを参考にしてください。
http://sp-file.qee.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%A5%DB%A5%E1%A5%AA%A5%D1%A5%B7%A1%BC

 この本で注目すべきは、ホメは新たな言い訳を考案したようです。それは、『ホメオパシーが効かない』のは予防接種をはじめとする、医原病が背景にあるからだという主張です。 これは霊能力者が公開実験で失敗した時に、実験環境のせいにするのと同じ、言い逃れの常套手段です。全体的な構成も霊感商法やマニュアル商法と同じく、最初に患者さんの苦痛にフォーカスし、その悲惨さ、苦しさを大きく取り上げ、それらを無根拠な言説で医原病と断じる。 読者の不安を徹底的に煽った上で、それらに対する唯一のソリューションはホメオパシーだと言い切る。 育児に対する不安や悩みを抱えるお母さんたちを、言葉巧みにかどわかす。この本のテーマそれ以上でもそれ以下でもありません。

 
 以下、目に付いた問題となる点をいくつかPickUpしておきます。

「しかし、破傷風やジフテリアが万一発祥しても、ホメオパシーには破傷風やジフテリアに合うすばらしいレメディーがあります。あるいは、破傷風やジフテリアをホメオパシー的に予防することもできます。ですから私たちホメオパスは、破傷風やジフテリアの予防接種にも反対するのです。」(p91より引用)

 ⇒薬事法を意識したギリギリの記述ですね。因みにホメオパシーでマラリアを予防できるなどと言って、死者が出た事例には全く触れておりません。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/newsnight/5178122.stm (BBCニュース)

「SV40が、癌やHIVの原因である」(p134-)

 ⇒またこれ...。1960年代、確かにSV40 が癌の原因ではないかという説がありましたが、現在、疫学的調査の結果ネガティヴとされています。 また、1958年にポリオワクチンがアフリカで接種されて、それはスローウイスルとしてHIVが30年後に爆発的に発生したなどと根拠もなく提示しています。
http://www.anex.med.tokushima-u.ac.jp/topics/zoonoses/zoonoses97-50.html (日本獣医学会)

「風疹は感染率が比較的高いので、どんな女の子にも本物の風疹に感染する機会があります。さらに風疹は、子供の体に殆ど害を与えることがないので、風疹にかかった子供はできるだけ多くの子供が本物の風疹に感染して信頼性の高い免疫が得られるよう、学校に送り込まれることが推奨されるべきです。」(P194 より引用)

 ⇒なにそれ?公衆衛生もへったくれもないこの言説には怒りさえ覚えます。
なんの為に、弱毒化したワクチンがあると思っているのだろう?定期予防接種前には年間100に人近い死者が存在し、現在でも急性脳炎などの深刻が合併症もあるというのに。 こうしたアホな言説を垂れ流し、学校でウイルスをばら撒かれてはかないません。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g2/k01_29/k01_29.html

「ノストラダムスは予防接種神話の崩壊を予言していた!?」(p259より)
「何世紀もの間に埋もれて、失われていたことが発見される。パスツールは現人神かと褒め讃えられる。月が大いなる周期を完了するとき、彼は他の噂によって名誉を失うだろう」(『予言集』第一巻25番)

 ⇒例のpasteurを固有名詞として読むやつですね。(苦笑) もやはオカルトといってよいでしょう。因みに、pasteurはフランス語は、牧師という意味があります。

 オカルト本マニアの方や、と学会方面の方がお笑い対象として読むならオススメします。 ただ、科学的思考能力が備わっていない一般の方が手にしたとしたらと想像すると、正直ゾッとしますね。 読後私の脳裏に残ったのは、表現の自由に対する【明白かつ現在の危険】です。

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