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2010/10/11

心の折れる音は「ポキッ」じゃなくて「グニャリ」

Summit2


連休に富士山登ってきた。

 今考えると、「女子供が登れる夏の富士では、話しのネタ的に面白みに欠けるから、キチンと登山したい!」という私の軽薄且つ安易な要望が、友人のS気質を刺激したらしく、口元に含みのある笑みを浮かべられながら、このタイミングを設定された気がします。
 事前に「この季節の富士山は、天候によっては相当ヤバイ!」と散々脅されていたのですが、私の生来の引きの強さを発揮し、案の定の荒天...。

<学んだこと>
・荒天下では、冬山装備でも強風と寒さはしのげない。
・高山病は頭痛や吐き気だけではなく、眠気となって現れることもある。
・濃霧の中、周囲に誰もいないので、簡単に道に迷う。

<失ったもの>
・コンタクトレンズ2枚
・携帯電話浸水
・気力、体力

<得たもの>
・エクストリーム系登山家は、クレイジーだという認識。
・自分の限界点のおおよそのPoint。


 深夜、視界5mの濃いガスの中、台風のような風で全身を打つ霙に晒され、高度障害で意識が半ば朦朧としている状態では、ほんの半歩横に死が待ち受けているのを実感できる。
 この恐怖感は、生まれて初めて味わった種類のものであった。今までに経験した死に対する恐怖といえば、車やバイクで高速コーナーに突っ込む時、脳内麻薬が溢れ、頭は冴え渡り、そのヒリヒリした緊張の中に瞬く、鋭利な恐怖だ。例え、口から心臓飛び出しそうな恐ろしさに見舞われても、少しアクセルを戻せば、とたんに離脱できる。
 だが山の恐怖は違う。脱出不能の環境に自ら突き進み、一歩踏み出す度に、ジワジワと重苦しいプレッシャーが襲いかかる。その圧倒的な質量をもつ恐怖と戦っているうちに、ふと気づけば、帰還不能点を過ぎてしまうのだ。 このなだらかにエスカレーションする恐怖感は、日常の生活の中ではなかなか経験できないタイプのものだ。

 下山後、私には後者のアドレナリンジャンキーの素質が全くないことが自己認識できて、ある意味、ホッとしている。次回は、天候の穏やかな八ヶ岳にでも、ゆっくり登りたい。


 #冬山経験のある友人でさえ、今回の条件では二度と登らないと言っていましたので、たぶん私の根性レスの問題ではないと思います。だから、私のようなヘタレが登頂できたからといって、オフシーズンの山には安易に登らないほうがいいと思います。


富士吉田市からのお知らせ

 エベレストと同じっつうのは、言い過ぎだろうけどね。

101008_152201

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コメント

ともあれ無事で何よりだね!

投稿: トマト | 2010/10/13 01:04

ありがと。
危うく北京ダック食えなくなるところだったよ。(笑)

たしか、H山くん、山屋だったよね?
結構、危ない橋を渡ってそう!
いや、一番ヤバイ『橋◯』を渡ってるのか!(笑)

投稿: 771◯ | 2010/10/13 10:07

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